スペシャルティコーヒーカフェ

X Coffee GINZA── “規格外”スペシャルティコーヒー体験を銀座で味わう

銀座の空気は、どこか尖った美意識と期待の余白を許してくれる。2024年夏に誕生したX Coffee GINZAは、まさにその心地よい緊張感の真ん中に、新しい一杯の物語を持ち込んだ。ここは「普通」の先に立つコーヒーショップ。コーヒーの既成概念を刷新しながら、来訪者にもう一度“本物の贅沢”を問いかけてくる。

X Coffee GINZA──世界基準のコーヒーが集まる規格外な聖域


銀座2丁目に現れたX Coffee GINZA。運営はKIELO COFFEEを手がけたAfter THREE。オーナー吉池弘樹の思想を土台に、“コーヒー=安価で苦い”という日本的イメージへ鮮烈なカウンターを打つ。世界トップクラスの豆を厳選し、10種という多彩なセレクトが並ぶ。

さらに特筆すべきは、スタッフのホスピタリティ。コーヒーへの深い熱意を持ちつつも、丁寧かつフランクな接客で客の好みに寄り添い、最適な一杯を提案してくれる。初訪問のゲストにも安心して自分の嗜好を伝えられる雰囲気が漂っている。

オーダー前に豆の香りを嗅いで好みの雰囲気を体験した上で選べる。

銀座という“勝負の街”で、X Coffeeは自らを「規格外」ブランドと位置づける。立地も、空間も、豆のクオリティも、全方位で“Extraordinary”を宣言。既存のコーヒースタンドとは一線を画する。

ハイエンドファッションが参照点──黒に包まれた新・銀座美学


店内の美学は、黒一色のモノトーン。ハイエンドなファッションストアを思わせるシックな装いに、パッケージ、器具、スタッフの制服まですべてが黒。カウンター&奥の12席が、都会の余白のような心地よさを添える。

ドリンクは来店者が自ら注げる「タップコーヒー」にも注目。たった10秒で一杯が完成する新体験。空間と体験の両面で、日本のコーヒーシーンに鮮烈な異物感を投じている。

コーヒーメニューと焼き菓子ラインナップ


X Coffee GINZAの主力は“Hand Dripコーヒー”とカフェラテ。すべて10種前後の豆から、好みやシーンに最適な一杯を提案してくれる。

コーヒーメニュー一覧


– Hand Drip(ハンドドリップ)
選べる豆のラインナップ:
– El Paraiso Luna(コロンビア/アナエロビック モスト)
– El Paraiso Lychee(コロンビア/ウォッシュト)
– Campo Hermoso Watermelon(コロンビア/ラティックハニー・スイカ共発酵)
– Coconut Island(コロンビア/カルチャリング)
– Los Patios Geisha(コロンビア/ピーチ共発酵)
– Mara(ケニア/ナチュラル)
– Tamiru Tadesse(エチオピア/ウォッシュト)
– Nigusse Gemeda Karamo(エチオピア/ナチュラル)
– Karindundu AA(ケニア/フルウォッシュト)
– Latte(選べる豆で作るカフェラテ)
– Cold Brew(水出しコーヒー)
– Americano
– Espresso
– Matcha Latte
– Lemonade
– Kids Cocoa

ラインナップはシーズンによって入れ替わるので、最新情報をぜひお店でチェックしてほしい。


今回オーダーしたのは、コロンビア「Aroma Nativo」。浅煎りで提供され、ライチやピーチを思わせる華やかな香りと凝縮されたフルーティな余韻が特長。


抽出には香りの揮発を抑えるためにパラゴンと呼ばれる専用ドリッパーを使用するというこだわりも。浅煎りにありがちな「薄さ」や「酸っぱさ」ではなく、飲みごたえのあるフルーツ感を楽しめる一杯だ。

焼き菓子ラインナップ

  • 自家製抹茶チーズケーキ
  • 紅茶バスクチーズケーキ
  • チョコバナナブレッド(ヴィーガン/グルテンフリー)
  • ガトーショコラ(ヴィーガン/グルテンフリー)

メニュー隣にはサンプル展示もあり、“味覚の幅”をじっくり選ぶ楽しさも。さらに、豆は各種100g1,400円〜で購入可能。通販サイト(https://kielocoffee.shop/)でも順次リリース。

「El Paraiso Luna」という衝撃──トレンド豆の最前線


近年トレンド真っ只中のエルパライソ農園「Luna」。ジャスミン茶のような芳香が長く余韻として残り、浅煎りファン達を虜にする存在。X Coffeeでも一押しで、特にラテとして味わうのがおすすめという。豆ごとの解釈は、スタッフによる現場の対話で一層深化する。

Los Patios Geishaも要注目。コロンビア産ゲイシャ豆にピーチ共発酵という斬新さ。桃の香りが突き抜け、コスパ的にも優秀。東京ならではのマニアックなセレクト体験がここにはある。

補足:「Anaerobic/アナエロビック」とは

Anaerobic(アナエロビック)は、“嫌気性発酵”と訳されるコーヒーの精製方法。密閉タンク内で酸素を遮断して発酵させることで、独自の香味やフルーティな酸を引き出す。エルパライソ農園は、このアプローチの最先端ブランドのひとつとして世界中で知られる。

店舗情報──アクセスと姉妹店を知る

  • 店舗名:X coffee GINZA
  • 住所:東京都中央区銀座2-11-1 銀座ランドビル 1F
  • 営業時間:8:00〜18:00(無休)
  • 座席:12席(カウンター・奥スペースあり)
  • 支払方法:キャッシュレス対応(現金未確認)
  • アクセス:銀座駅/東銀座駅から徒歩5分、東京駅から徒歩約15分
  • Instagram:https://www.instagram.com/xcoffee_ginza/
  • HP:https://afterthree.jp/Xcoffee

姉妹店&運営情報


– KIELO COFFEE(秋葉原):北欧スタイルのコーヒースタンド
東京都台東区台東1-29-4 第一共和ビル1F
8:00-19:00
– Be green by KIELO COFFEE(本郷):ヴィーガン焼き菓子&コーヒーロースター
東京都文京区本郷4-37-6 メゾンドゥ本郷1F
9:00-18:00

運営:株式会社After THREE

これからの“コーヒー体験”に向けて──心に響く一杯を

X Coffee GINZAは、単なる“ハイエンドコーヒーの新店”にとどまらない。既存の価値観や飲み方、美意識に疑問を投げかけてくる気配がある。銀座という都市の深呼吸のようなスペースで、自分だけの“規格外”の一杯を探すのも悪くない。新しい嗜み方の予感と、ときめきを、その場で確かめてほしい。

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