青森の津軽から、一本のスパークリングが世界の注目を集めた。サントリーが手がける「SUNTORY FROM FARM 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019」が、世界的なワインコンペティション「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2025」にて見事金賞を受賞。日本のワイン文化にまたひとつ深い一石を投じたこの1本、その背景と魅力に近づく。
世界が認めた“日本の泡”
IWCは1984年から続く、ワイン業界で最も厳格かつ影響力のある国際コンペのひとつ。ここで金賞を獲得するのは並大抵のことではない。そんな世界の舞台において「津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019」が高く評価されたという事実だけでも、日本ワインの可能性を感じずにはいられない。
この快挙は単なる品質の証明にとどまらず、日本のテロワールと職人の技術が世界基準で通用することを示している。
“津軽”という大地が育んだ個性
津軽地方は、冷涼な気候と岩木山由来の火山灰土壌によって、酸味の際立つ香り高いぶどうが育つ土地。行政や農業組合との連携を通して、ぶどうの品質向上と生産拡大に取り組んできた。
このスパークリングには、そんな津軽の個性がしっかりと息づいている。熟したりんごを思わせる甘やかな香りと、トーストのような香ばしさ。そのバランスが実にエレガントだ。
瓶内二次発酵という時間への敬意
「瓶内二次発酵」は、シャンパーニュ地方の伝統技法として知られる、時間と手間を惜しまないスパークリングワインの製法。一次発酵後のスティルワインに糖分と酵母を加え、密閉して熟成させることで、瓶の中で自然に泡が生まれるという贅沢なプロセスだ。
この製法によって、泡のきめ細やかさや香りの複層性が格段に高まる。「津軽2019」はその工程を36ヶ月、つまり3年にもわたって継続している。時間をかけてしか生まれない味わいが、そこにはある。
「シャルドネ&ピノ・ノワール」の幸福な出会い
高級スパークリングの原点といえば、やはりシャルドネとピノ・ノワール。この2種のぶどうの組み合わせはシャンパーニュでも王道とされている。
シャルドネがもたらす引き締まった酸とミネラル感、ピノ・ノワールが加える果実のふくよかさと奥行き。その交差点に生まれたのが、この「津軽2019」なのである。銘醸地に学びつつ、津軽という風土で咲かせた独自の表現といえる。
受賞にとどまらない、挑戦の続き
サントリー ワイン本部の吉雄敬子氏は、今回の受賞を「地元とともに歩んできた結果」と語る。それは単なる受賞コメントではなく、「世界に肩を並べるジャパニーズワイン」を目指す長い挑戦の一部であるという姿勢の表われでもある。
津軽、高山村、登美と日本各地の個性を表現し続けるFROM FARMシリーズ。そのすべてが、ジャパニーズワインの新しい地平につながっていく。
同時受賞のラインナップも見逃せない
今回金賞を受賞したのは「津軽2019」だけではない。「高山村 シャルドネ 2023」も同じくIWC金賞に選ばれている。さらに以下の2商品も銀賞に輝いた。
受賞ワイン一覧
- 金賞
- SUNTORY FROM FARM 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019
- SUNTORY FROM FARM 高山村 シャルドネ 2023
- 銀賞
- SUNTORY FROM FARM 登美 甲州 2023(9月9日発売予定)
- SUNTORY FROM FARM 津軽 シャルドネ&ピノ・ノワール スパークリング 2019 60ヶ月熟成(8月5日発売予定)
手に入れるチャンスは限られているため、気になるなら今すぐチェックを。
日本ワインの躍進は続く
“メイド・イン・ジャパン”は、もはや日本人だけの誇りじゃない。世界が見つけたジャパニーズワインの才能を、まずはグラスの中で確かめてみてほしい。津軽の風土と時の深さをふくんだ一本が、まだ知らない味の扉をそっと開けてくれるはず。
冷涼な津軽の空と土壌が熟成させた泡が、いま世界と語りはじめている。あなたの口にも、その物語を届けてみては。