スペシャルティコーヒーカフェ

KOFFEE MAMEYA|白衣のバリスタが醸す、新しいコーヒー体験。風味の地図を表すマトリックスとは

表参道の奥まった路地。黒塗りの門をくぐった先に現れるのは、店名からすでに只者でないことを予感させる「KOFFEE MAMEYA」。この小さな豆専門店が提供するのは、1杯のコーヒーを通じた味覚の探検であり、ロースターへのラブレターでもある。カウンセリングからはじまるその一杯には、驚きと解放の余白があるのだ。

コーヒー豆専門店という選択

© JDN

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KOFFEE MAMEYAの意義は、「カフェ」ではなく「豆屋」であることにある。エスプレッソマシンが目を引くが、本質はその奥に並ぶセレクトされた豆の数々に宿る。

バリスタは“診断”のように対話を重ね、来店者の趣向に合った豆を提案する。抽出する1杯にも妥協はないが、主役はあくまで豆そのもの。その”素地”を伝える場に徹するのが、この店の流儀だ。

バリスタから焙煎士へは進まない哲学

© Tine Out Tokyo

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KOFFEE MAMEYAの三木隆真が語るのは、「敬意と分業の関係性」。バリスタが焙煎士を兼ねる流れに違和感を持ち、それぞれのプロフェッショナリズムを尊重すべきと考える。

そのため焙煎はあえてせず、国内外のロースターから最適な豆を選び抜く。ロースターの特色に応じてオーダーを変えるなど、彼らの個性を引き出す「媒介者」としての役割を全うしている。

“KOFFEE”と“キオスク”の関係

© エアロプレイン

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表記を“COFFEE”ではなく“KOFFEE”にした理由は、「キオスクのように気軽に立ち寄れて、どこか無機質でも温かみのある場」にしたかったから。

街角にぽつんと存在する四角い売店“キオスク”から着想を得たこの店舗。看板すら控えめな佇まいは、自分だけの1杯と静かに向き合う時間をもたらしてくれる。

豆の違いを可視化、味のマトリクスとは

© &Kalita

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KOFFEE MAMEYAでは、コーヒーの焙煎とコクを5×5のマスで分類。その色味の違いが、味の濃淡と焙煎度を視覚的に伝える仕掛けになっている。
© &Kalita

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このマトリクスにより、自分の好みや未体験の領域をスムーズに探れる。迷ったときは、白衣のバリスタがそっと処方してくれる「コーヒーのレシピ」に頼ってみよう。

器具にも哲学を宿す。Made in TSUBAMEの信頼性

© &Kalita

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常時10種以上の豆すべてに対応できる器具——それが“Kalita ウェーブドリッパー”。燕三条で製造されるこのドリッパーは、抽出スピードと浸水時間を巧みにコントロールできる精巧な道具。

素材に左右されず、バリスタの意図通りの抽出を可能にするため、KOFFEE MAMEYAではこれが愛用されている。豆と同様、器具にもストーリーがある。

Kalita ウェーブドリッパーは個人向けの製品をAmazonで購入することも可能だ。

Kalitaとは

© &Kalita

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Kalita(カリタ)は、日本発のドリップ珈琲器具メーカー。三つ穴構造を特徴とするドリッパーや、アイス用サーバーなど家庭でも扱いやすい製品を多数展開しており、その品質の高さと機能美でプロからも高い信頼を得ている。

Kalita公式サイト
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店舗情報:KOFFEE MAMEYA

©JDN

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  • 所在地:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4丁目15−3
  • 営業時間:10:00〜18:00
  • 公式サイト

五感で味わうコーヒーの深層

コーヒーを「嗜む」ことから「会いに行く」体験へと昇華させたのが、KOFFEE MAMEYAである。その白衣のバリスタたちは、豆の背景にある物語を掘り起こし、ロースターの声なき声を代弁する。

1杯の豆に宿る、土地の個性。作り手の気概。自分自身の味覚。——その交差する場所を訪れるだけで、ちょっと未来がひらけて見えるかもしれない。

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