ワイン

サンクゼールの丘で、初夏を飲み干すアフタヌーンティー

アフタヌーンティーという語感には、どこか非日常への入り口がある。ましてその舞台が、“サンクゼールの丘”と呼ばれる信州・飯綱町のワイナリーレストランときたら、期待せずにはいられない。ぶどう畑と空、ハンドメイドのスイーツと美酒。今夏、6月22日と29日の2日だけ、そのすべてを纏った特別な午後が旅人を待っている。

初夏の午後にひらく、アフタヌーンティーの六景


今年で6回目となるワイナリーレストラン・サンクゼールのアフタヌーンティーイベントが、例年以上に心を躍らせる。開催は6月22日と29日、日曜の午後。目の前に広がるぶどう畑と、手作りスイーツとスペシャルドリンクで構成される、その場限りの優雅な時間。窓の外に風景、グラスの中に夏が広がってゆく。

ゆっくり流れる午後の光の中、サンクゼールのパティシエによるデザートプレートは、ひと口ごとに土地のやさしさを教えてくれる。甘さの深さも、風味の立体感も、全てが「ここだからこそ」。手土産では残せない、感覚の記憶がここにはある。

サンクゼール ワイナリーレストランとは何か


長野・飯綱町にある「サンクゼールの丘」は、信州の自然に包まれたワイナリー、レストラン、ショップ、そして工場や本社までもが一体化した“食の交差点”。その中心にあるのが、ワイナリーレストラン・サンクゼールだ。ワイン、ジャム、パスタソースに至るまで、自社で手がけるプロダクトを現地で味わえる体験型施設でもある。

ブランドの原点は、創業者がペンションで作った手作りりんごジャム。その温度感を失わないまま、今では全国180店舗超を展開。だが原点は常に、飯綱の土であり、空気であり、このレストランなのだ。

公式サイトはこちら

アフタヌーンティーイベントの内容

イベント概要

  • 開催日:2025年6月22日(日)・29日(日)
  • 会場:長野県上水内郡飯綱町芋川1260
    ワイナリーレストラン・サンクゼール
  • 時間:第1部 15:30〜 / 第2部 16:00〜(開始30分前より受付)
  • 料金:3,600円(税込)

提供内容

  • パティシエ特製デザートのプレート
  • サンドイッチ、キッシュなどの軽食
  • ドリンク2杯(紅茶や当日限定スペシャルドリンク)

予約情報

  • 【WEB予約】イベント予約ページ
  • 【電話予約】TEL:026-254-8070(10:00~17:00)
  • 締切:各開催日の3日前まで(※満席になり次第受付終了)

「飲む」を超える。サンクゼールのドリンク哲学


アフタヌーンティーといえば紅茶が主役。だが、当日だけの“スペシャルドリンク”にも意識は向けたい。これまでには季節に合わせた自家製シロップを用いた発泡ドリンクや、ノンアルコールの“ぶどうフラッペ”なども登場してきたという。サンクゼールが得意とするのは、飲料の物語化。どの一杯も、背景に風景とレシピストーリーがあり、語りたくなる。

そして当然、ティーの選定にも一切の妥協はなし。深みある香り、花や柑橘の軽やかなテイスト、ミルクやスパイスとの相性。レストランでありながら、ドリンクをただの“補足”としない構成はThirstyの読者にこそ響くはず。

スイーツとキッシュが語る「土地の手触り」


初夏のアフタヌーンティーで供されるフードの多くは、イベントのために特別に仕立てられた内容。信州産の果物や野菜を用いたデザートは、甘すぎず素材感が引き立つ構成。キッシュやサンドウィッチは、白ワインとの相性すら想定された味付けで、ちょっとした食中酒とのマリアージュも脳内で転がしたくなる。

実際、アフタヌーンティーと聞いて「甘いものばかり」を想像する向きには、“かなりのボリューム感と満足感がある”という感想も届けられている。男女・年齢問わず楽しめるラインナップと言える。

「サンクゼールの丘」の文化的背景とは

信州・飯綱町の豊かさを、体感する場所

長野県上水内郡飯綱町。標高が高く、冷涼な気候が果物の生育に適したこのエリアは、「信州の屋根」とも言われる自然環境が特長。ここで栽培されるぶどうは、味の密度が高く、サンクゼールのワインづくりにも欠かせない存在だ。

また“サンクゼールの丘”には、ジャム製造からワインボトリングまでを一貫して行う施設が揃っており、訪れることで食の循環やクラフト感覚までもが五感に残る。まさに「Country Comfort(田舎の豊かさ・心地よさ)」というブランド理念を体現するランドマークなのだ。

風吹く緑の丘で優雅なひと時を

一杯の紅茶ですら、記憶に残る。そんなアフタヌーンティーが、この6月にサンクゼールで待っている。甘さが苦手な人も、ワイン好きも、デザインされた食体験に身を委ねればきっと気づくはず——「飲むことは、世界を耕すことだ」と。

都市とは違う時間の流れの中で、飲む、食べる、語らう。そこには、まだ知っていない味覚の風景が広がっている。初夏の午後、少し遠くまで足を延ばしてみてはどうだろう。予約さえ取れれば、あとは心を遊ばせるだけ。

この記事を書いた人

J.S.A Wine Expert / Sake Diploma。酒の香りにとことん弱い。都市とローカルを往復しながら、その土地の一杯に耳をすませている。これまでに開催したワイン会・日本酒会では、のべ5000人以上に酒を注いできた。抹茶の世界にも、静かに足を踏み入れはじめたところ。飲んだ先に広がる世界を求めて、今日も一杯、のち一文。

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