旅の記憶に、香りと味は深く刻まれる。1855年創業の白瀧酒造が、2025年6月2日に新たな日本酒体験施設「shop & taproom Flow」を酒蔵敷地内にオープンする。この場所は、単なる“見学”の枠を超えた新しいSAKEカルチャーの交差点。水から紡がれるストーリーと、あなたとが出会う場所だ。
「Flow」が切り拓く、見学型を超えた体験のかたち
「Flow」は、従来の酒蔵見学とは異なるレイヤーで、日本酒を“感じる”ための仕掛けが詰まった複合空間。ショップ、タップルーム、ラウンジが融合し、まるでギャラリーのように飲み手の感性に語りかけてくる。
五感を使って味わえるテイスティングから、ブレンディング体験や没入型映像まで。見る・作る・出会う——すべての工程が、流れるように自然とリンクしている。
越後湯沢という舞台——アクセスと伝統の交差点
東京から新幹線で約90分。越後湯沢は、かつて旅人と商人を癒やした温泉街にして、白瀧酒造の原点でもある土地。山あいの澄んだ空気と、豪雪がもたらすミネラル豊かな水。自然と文化が重なるこの地が、「見る」酒蔵から「感じる」拠点へと進化する。
JR越後湯沢駅から徒歩5分という好立地も、訪れる理由を後押ししてくれる。
「Flow」とは何か——循環するSAKEカルチャーの源泉
“Flow”とは、「流れ」「巡り」そして「出会い」を意味する。白瀧酒造の主力銘柄「上善如水(じょうぜんみずのごとし)」の精神——自然に身をゆだねるような酒造り——を、そのまま空間コンセプトに昇華したネーミングだ。
雪、水、米、人、そして世界。すべての要素が流れとなって交差するこの場こそ、新たなSAKEカルチャーのハブであり、循環のはじまりともいえる。
3つの深度で味わう「Flow」のコンテンツ群
01. 全銘柄に出会える、テイスティングとセレクトショップ
施設付きのショップでは白瀧酒造のすべての銘柄を展開。中には、「Flow」限定酒や、酒粕を使ったアイスクリーム、地元焙煎コーヒーといった非アルコールメニューも。タップルームではメダル式のサーバーを導入し、好みに合わせた一杯を気軽に体験できる。
02. あなただけの日本酒を創る、ブレンディングラボ(夏以降)
2025年夏には、SAKEラボも始動予定。ワークショップ形式で、自分の味覚に沿った“シグネチャーSAKE”をブレンドできる。使用言語は日本語・英語対応で、インバウンドにも配慮された設計。世界中からの「日本酒への好奇心」が、ここで形となる。
03. 映像と音に包まれる、没入型・蔵の時間(2026年冬以降)
2026年冬には、湯沢の四季や仕込みの様子を没入型の映像体験として提供予定。天候や地形に左右されず、子どもから高齢者まで安心して楽しめる、ストーリードリブンな酒蔵体験が実現する。
白瀧酒造とは——SAKE×継承×革新
1855年創業の白瀧酒造は、酒どころ新潟・湯沢の地に根ざす老舗ながら、常に時代感覚を取り込み進化を続けてきた。「上善如水」はその代表。単なる“淡麗な酒”にとどまらず、生活様式や価値観の変化に寄り添うスタイルを酒に落とし込んできた革新者でもある。
その延長線上にある「Flow」は、SAKE文化をグローバルに発信する装置でありながら、足元の風土へのまなざしを失わない点にも注目したい。
施設情報一覧:直売店 shop & taproom Flow
- 名称:白瀧酒造直売店 shop & taproom Flow
- 所在地:新潟県南魚沼郡湯沢町大字湯沢2633番1
- アクセス:JR越後湯沢駅より徒歩5分
- 電話番号:025-775-7422
- 営業時間:9:30〜16:30
- 定休日:土・日・祝(※2025年11月より変更予定)
- 特設サイト:https://www.shirataki-flow.com/
今後開始予定のプログラム
プログラム名 | 開始時期 | 内容概要 |
---|---|---|
ブレンディング体験 | 2025年夏頃 | バイリンガル対応のSAKEワークショップ |
没入型映像体験 | 2026年冬頃 | 映像と音で酒造りを感じるインスタレーション |
サステナビリティとしての「水」へのリスペクト
「Flow」では、仕込み水を自由に汲める専用ステーションを設置。これは、シェアリング系プラットフォーム「mymizu」と連携し、20万か所を超える世界の給水スポットのひとつとして登録されている。
自然との共生や環境意識の高い旅人に向けて、マイボトル利用を推奨し、サステナブルな選択をデザインに組み込んでいる点もユニーク。
「天地人」をFlowで体感しよう
“見学する”から“共鳴する”へ。白瀧酒造「Flow」は、ただ美味しい酒を飲むだけでなく、背景の自然、造り手の哲学、時間の流れまでも味わうための天地人装置だ。ここでしかできない体験が、逸る旅欲にそっと火を灯してくれるかもしれない。次に日本酒と出会う場所は、きっとここだ。