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白鶴「天空」シリーズがWゴールド。IWC2025で世界が認めた中取りの極み

世界最大級の酒類コンペティション「IWC2025(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)」にて、白鶴酒造のフラッグシップライン「超特撰 白鶴 天空 中取り 純米大吟醸」シリーズ2種が見事ゴールドメダルを受賞した。酒米の違いを表現した2本の対比は、日本酒の繊細さと多様性を改めて世界に知らしめる結果となった。

IWC2025でダブル受賞。天空、世界の頂へ


受賞したのは「山田錦」と「白鶴錦」をそれぞれ使用した2種類。精米歩合はともに38%、中取りならではの雑味なき透明感と香味の調和が審査員の心を掴んだ。

「天空」シリーズは、白鶴酒造が培ってきた伝統技術に、現代の感性を融合させた集大成である。

果実香と余韻が誘う、晴れやかな一杯


「山田錦」仕様は、苺や洋梨、柑橘の皮のニュアンスを持つ華やかな香りが印象的。一方「白鶴錦」は、林檎やマンゴーに、ほのかなスパイスの余韻が重なる。

いずれも中取りによる雑味のなさが際立ち、「晴れやかで澄んだ余韻」という評価にも納得の仕上がりである。

「中取り」とは何か?

酒を搾る工程において、最も香味バランスに優れる中間部分のみを抽出した贅沢な製法。全体の一部しか得られないがゆえ、上級の純米大吟醸にふさわしい品質となる。

白鶴酒造が磨き続けた技と哲学


灘五郷を拠点に100年近い歴史を誇る白鶴酒造。選び抜かれた酒米と名水、杜氏の技術を結集させた造りは、日本酒ファンからも厚い信頼を得ている。

環境負荷軽減への挑戦も怠らず、発酵由来のCO₂を活用するなど、未来を見据えた酒造りも進行中だ。

白鶴酒造とは

本社を兵庫県神戸市に構える、灘五郷の代表格。ブランドのコンセプトは「人と自然をつなぐ酒」。国内市場を基盤としつつも、世界市場にも積極的に展開している。

「山田錦」と「白鶴錦」―酒米で変わる表情


「山田錦」は全国的にも名高い酒米で、ふくよかな旨味と透明感ある香味が特徴。「白鶴錦」は白鶴酒造が独自開発した品種で、香り高さと奥行きのある余韻が魅力だ。

同じ精米歩合ながら、使用米の違いでこれほどに印象が変わる点も、飲み比べの楽しさを際立たせる要素である。

飲み頃と入手方法。その一本に宿る時間


「天空」シリーズ2種は、全国の酒販店や白鶴公式オンラインショップにて取り扱い中。冷やしてその香味を楽しむのがベストだが、常温でのふくよかさも試す価値がある。

価格は各16,500円(税込)。ギフトにも、自身への贅沢にも、申し分ない一本である。

山田錦商品ページ
白鶴錦商品ページ

この香り、この透明感。今こそ、天空を体感すべし

白鶴が描いた日本酒の最高峰「天空」。選び抜かれた酒米と職人技が織り成す一杯は、祝祭の場にも、静かな夜にもふさわしい。受賞を機に、世界水準の味わいをぜひ自身の舌で確かめてみてほしい。今、酒は空を目指している。

この記事を書いた人

J.S.A Wine Expert / Sake Diploma。酒の香りにとことん弱い。都市とローカルを往復しながら、その土地の一杯に耳をすませている。これまでに開催したワイン会・日本酒会では、のべ5000人以上に酒を注いできた。抹茶の世界にも、静かに足を踏み入れはじめたところ。飲んだ先に広がる世界を求めて、今日も一杯、のち一文。

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