クラフトビール

「薫るパンクラストビール」 超熟の“パンの耳”がビールに生まれ変わった

パンとビールの意外な共演。アップサイクルから生まれた新たな一杯


敷島製パン(Pasco)と金しゃちビールによる初の共同開発商品「薫るパンクラストビール」が、2025年5月15日よりPasco公式オンラインショップにて予約販売を開始した。

このユニークなクラフトビールは、Pascoの人気食パン「超熟」の製造過程で生まれる“ミミ”——いわゆる端のクラスト部分を活用した“アップサイクルビール”。廃棄されるはずだったパンのミミを、モルトの代替原料として使うことで、新たな価値を生み出している。

商品名にある“クラストビール”は、「クラフトビール」とパンの“クラスト(耳)”を掛け合わせた造語。試作段階から社内外で親しまれていた愛称を、あえてそのまま商品名に採用している。

「クラフトビールの新しい可能性」と「パンの価値再発見」が同時に語られる、まさにサステナビリティと味覚の交差点から生まれたプロダクトだ。

味わいの特徴:優しさとコクを併せ持つピルスナー


ビールのスタイルはピルスナー。チェコ発祥の爽快で軽快なスタイルでありながら、この「薫るパンクラストビール」ではパン由来の小麦の甘みと、ビールの命とも言えるホップの苦味と香りが絶妙に調和する。

口当たりはなめらかで、小麦特有のまろやかな甘みがふわりと広がる一方、喉を通るころにはピルスナーらしいキレがきっちりと存在感を見せる。食事と一緒に楽しむのはもちろん、単体でも満足感のある飲み心地に仕上がっている。

パンの耳を原材料に使うことで、クラストならではの香ばしさと丸みのある旨味が加わり、ビールとしての輪郭を豊かにする。ワインの世界では、酵母由来の熟成香をブリオッシュやパンドゥミの香りに例えるように、パンの香りは本能的な安心感を呼び起こすものかもしれない。

「ヨルパン」にぴったりな新スタイル


Pascoが提唱する「ヨルパン」——夕食にパンを楽しむ新しいライフスタイルにマッチするよう設計されたこのビール。たとえばシチューやローストビーフ、惣菜パンと合わせることで、一日の終わりに“ゆるっと贅沢なパン時間”を演出できる。

ミミを再活用したという背景も含め、カジュアルながらも“語れる一杯”として、食卓に心地よい物語を加えてくれるだろう。

サステナブルなクラフトビールの在り方


「薫るパンクラストビール」は、単なる話題性にとどまらない。原材料をアップサイクルすることで食品廃棄物の削減にも貢献し、製パン業とクラフトビール業界を橋渡しする画期的な取り組みとなっている。

環境への配慮と食の創造性を両立させるこの取り組みは、「サステナブルビール」のひとつのモデルケースとも言えるだろう。


商品情報

  • 商品名:薫るパンクラストビール
  • 種別:発泡酒(ピルスナータイプ)
  • 内容量:330ml × 6本
  • 価格:3,980円(税込・送料込)
  • 販売数:500箱限定(300箱+追加100箱×2回)
  • 販売先:Pasco公式オンラインショップ
この記事を書いた人

J.S.A Wine Expert / Sake Diploma。酒の香りにとことん弱い。都市とローカルを往復しながら、その土地の一杯に耳をすませている。これまでに開催したワイン会・日本酒会では、のべ5000人以上に酒を注いできた。抹茶の世界にも、静かに足を踏み入れはじめたところ。飲んだ先に広がる世界を求めて、今日も一杯、のち一文。

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