クラフトビール

「東映荒波IPA」誕生。映画の記憶と銚子の波が出会う

丸の内TOEI閉館記念、“東映×銚子ビール”の異色コラボが実現


2025年5月22日、東京・銀座の映画館「丸の内TOEI」にて、ユニークなクラフトビールが販売開始された。その名も「東映荒波IPA(TOEI ARANAMI IPA)」。東映株式会社と、千葉県銚子市のチョウシ・チアーズ株式会社がタッグを組み、65年の歴史を持つ映画館のグランドフィナーレを祝う特別企画として生まれた一杯だ。

銚子の海岸で撮影された、東映の有名なオープニング“荒磯に波”の映像。そのロケ地へのリスペクトと、「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクトへの感謝の気持ちを込めて、銚子ビールの職人たちが仕上げたIPAは、まさに映画とクラフトの架け橋となる。

映画冒頭の「荒磯に波」は銚子で撮られていた


東映映画の幕開けを象徴する“波しぶきが岩に打ち寄せる”あの映像。その撮影地は、実は千葉県銚子市の外川海岸。荒々しい太平洋の波が岩を打ちつける様は、映画のダイナミズムと高揚感を視覚的に伝えるシンボルとして長年親しまれてきた。このビールの名に“荒波”が冠されているのも、東映と銚子の意外な縁があってこそだ。

銚子の波のように力強く香るIPAとは


IPA(インディア・ペールエール)は、18世紀イギリスの植民地時代に生まれたビアスタイル。防腐効果のあるホップを大量に使用することで長距離輸送に耐えうるビールとして発展した。現在では、香り高く苦味の強いスタイルとして世界中のクラフトビールファンに愛されている。

「東映荒波IPA」は、IBU(国際苦味単位)52、アルコール度数6%の本格派IPA。ホップの華やかなアロマとビターな余韻が、まさに“荒波”を彷彿とさせるような力強さを持つ。IPAの本流を抑えつつも、誰にでも楽しめるバランスの良さがある。

映画館と地域の繋がりを、ビールで可視化する

銚子ビールはこれまで、「魚に合うビール」や「地域ブランドとのコラボ」を積極的に展開してきたブルワリー。今回の「東映荒波IPA」も、銚子という土地の記憶を味に落とし込む、“地域を醸す”クラフト精神にあふれたプロダクトだ。

映画館で飲むクラフトビール、しかもその映画とロケ地にちなんだ味わい。これは、飲む人の記憶と感情をも巻き込む、まさに「体験型ビール」とも言える。

「映画を観る場」への感謝と文化の継承

丸の内TOEIは2025年7月27日に閉館を予定しており、本ビールはその“さよなら企画”の一環として誕生した。映画ファン、東映ファン、そしてクラフトビール愛好者のすべてに刺さるこの一本は、映画という文化とビールという嗜好品の交差点で、静かに語りかける。


商品情報

  • 商品名:東映荒波IPA(TOEI ARANAMI IPA)
  • ビアスタイル:IPA(インディア・ペールエール)
  • ABV(アルコール度数):6.00%
  • IBU(苦味指標):52
  • 内容量:350ml缶
  • 発売日:2025年5月22日(木)〜
  • 販売場所:丸の内TOEIほか(順次展開)

関連リンク

この記事を書いた人

J.S.A Wine Expert / Sake Diploma。酒の香りにとことん弱い。都市とローカルを往復しながら、その土地の一杯に耳をすませている。これまでに開催したワイン会・日本酒会では、のべ5000人以上に酒を注いできた。抹茶の世界にも、静かに足を踏み入れはじめたところ。飲んだ先に広がる世界を求めて、今日も一杯、のち一文。

MkThirstyをフォローする
クラフトビール
シェアする
タイトルとURLをコピーしました