日本酒

【精米歩合8%の衝撃】勝山酒造「伊達ノ黒船」|政宗の夢を映す、究極の純米大吟醸

伊達家の誇りを酒に託して


仙台藩伊達家の御用藏として知られる勝山酒造が、かつてない超高精米で醸した純米大吟醸「伊達ノ黒船」を発表。使用米は宮城県産の酒造好適米「蔵の華」。精米歩合はなんと8%——勝山にとっても初の試みだ。

この酒は、1613年に太平洋を渡ったガレオン船「サン・ファン・バウティスタ号」に着想を得た逸品。伊達政宗公が欧州への夢を託した“黒船”の名を冠し、技術・意匠・物語すべてにおいて気品と野心が込められている。

蔵の華という酒米


1997年、宮城県古川農業試験場で山田錦と東北140号を交配し、さらに東北140号を掛け合わせて誕生した「蔵の華」。

寒さや風に弱い美山錦に代わる収穫性の高い酒米として開発され、吸水性に優れ、醪へのなじみも良く、醸造しやすい点が特徴。味わいは美山錦譲りのすっきりとした傾向を持つ。「酒蔵の中で酒香を漂わせ人を酔わせる華となるお米」からその名がつけられた。

搾りの違いで魅せる2本の黒船

  • 遠心搾り(80,000円・仙臺箪笥被せ箱入):勝山独自の遠心分離機で、醪から純粋なエキスのみを抽出。白ブドウや柑橘を思わせる果実香と、米由来の上品な甘味・酸味がバランスよく広がる。マリンブルーの漆塗り箱に収められたビジュアルも圧巻。

  • 袋搾り(25,000円・化粧箱入):酒袋に詰めた醪を槽で丁寧に搾った、伝統的な“袋吊り”に近い製法。雑味のない透明感と、しっかりとしたコク、穏やかな吟醸香が広がる仕上がり。

どちらも、8%まで磨いた蔵の華のポテンシャルを引き出すべく、極限まで雑味を取り除き、米のピュアな旨味を凝縮している。酒そのものが静謐な芸術品のような趣を持つ。

勝山の歴史、世界の評価


元禄年間創業の勝山酒造は、幕末に仙台藩の御酒御用藏となって以降、伊達家ゆかりの酒蔵としてその名を残してきた。近年はアメリカのパーカーポイント95点獲得や、イギリスIWC、フランス蔵マスターなど、海外の酒類コンペでも最高位を連続受賞。

“政宗公の夢を酒で世界に運ぶ”という挑戦を、今もなおアップデートし続けている。

箱の設えとギフト性


遠心搾りモデルに付属する「仙臺箪笥 被せ箱」は、マリンブルーの漆塗りと繊細な飾り金具が施された重厚感のあるデザイン。視覚的なインパクトと文化的背景を併せ持ち、開封時の高揚感もひとしおだ。

高単価でありながら、希少性・意匠・味わいの三拍子が揃った日本酒は、特別な贈り物としても申し分ない。

商品概要


– 商品名:伊達ノ黒船 純米大吟醸(遠心搾り/袋搾り)
– 発売日:2025年5月23日(限定各300本)
– 内容量:720ml
– アルコール分:16度
– 精米歩合:8%
– 使用米:蔵の華100%(宮城県産)
– 保存方法:冷蔵保管(輸送時常温可)
– 製造元:勝山酒造株式会社(宮城県仙台市)
– 価格(税別):遠心搾り 80,000円 / 袋搾り 25,000円


公式サイト:http://www.katsu-yama.com

この記事を書いた人

J.S.A Wine Expert / Sake Diploma。酒の香りにとことん弱い。都市とローカルを往復しながら、その土地の一杯に耳をすませている。これまでに開催したワイン会・日本酒会では、のべ5000人以上に酒を注いできた。抹茶の世界にも、静かに足を踏み入れはじめたところ。飲んだ先に広がる世界を求めて、今日も一杯、のち一文。

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